熱交換換気システムとは
換気をする際、室内からの排気と屋外からの給気の間で熱交換を行い、排気熱を回収して室内に戻します。換気による温度変化を極力軽減することで、室内環境を維持し、冷暖房の省エネルギー化を可能とします。
顕熱と全熱
熱交換換気システムは住宅内にダクトを配管し、室内空気と異なる温度の屋外新鮮空気を室内に給気する際に、汚れた室内空気の熱だけを利用して、新鮮空気を室内温度に近づけることによって、換気による冷暖房エネルギーの削減と室内温熱環境の向上を担う役割を果たしています。近年は2020年に向けて住宅のゼロエネルギー化を推進する政策もあり、徐々に普及率を高めています。
熱交換換気システムには大きく分けて2通りのシステムがあります。全熱交換方式と顕熱交換方式です。
全熱交換方式:主に紙を主体とした熱交換素子を使い、熱のほかに湿度も回収し新鮮外気に受け渡すタイプ。
顕熱交換方式:樹脂(プラスチック)または金属での熱交換素子によって、温度だけを交換するタイプ。
全熱交換方式 | 顕熱交換方式 | |
素材 | 主に紙 | 樹脂または金属 |
温度交換(顕熱) | あり | あり |
温度交換(潜熱) | あり | なし |
湿度交換 | あり | なし |
耐久性 | 5−7年程度 | 15年ー20年程度 |
出典:http://www.jvia.jp/column/igi_6.htm
日本輸入換気システム連盟ホームページより
熱交換方式の違い <全熱式と顕熱式>
第一種 全熱式 | 第一種 顕熱式 | ||
特徴 | 温度だけでなく、湿気も交換し、給排気する | 温度だけを熱交換し、給排気する | |
温度 | 夏 | 外気と内気を熱交換する為、温度が上昇・下降しにくい | 外気と内気を熱交換する為、温度が上昇・下降しにくい |
冬 | 外の熱を持った湿気を室内に取り入れない | 室内の水蒸気を室外に出す | |
湿度 | 夏 | 室内の熱を持った湿気を室内に戻す | 室内の水蒸気を室外に出す |
冬 | 湿気と共においを室内に戻してしまう | 外気のにおいを室内に給気せず、室内の臭いを排気 | |
におい | 湿気と共においを室内に戻してしまう | 外気のにおいを室内に給気せず、室内の臭いを排気 |